試乗記,メルセデスAMG GLA45S:コスパが惜しい

(最終更新日:2021.10.21)

こんにちは、アキタローです。

今回はメルセデスAMG GLA45Sに試乗してきました。

このクルマ、見た目からのギャップで言えばモンスター級です。

走行性能も超ハイレベル!クソデカグリルを持つ者として半端じゃない動力性能を誇ります。

 

GLA45Sのスペックは下記の通り。

全長4,436 mm
全幅1,849 mm
全高1,585 mm
車両重量1,770 kg
エンジン直列4気筒ターボチャージドエンジン

排気量 1,991cc

最高出力:421馬力 トルク51.0kgf m

なにより注目は2リッターと小排気量ながら絞り出す出力はなんと421馬力!

2リッターエンジンとしては執筆時の2021年10月でも未だ市販車最高出力だったかと思います。

なんとなくマカンのベースグレードに近しい手ごたえがありました。(馬力は全然違うけど笑

 

ちなみに…CLA35には以前試乗しており、もっと刺激が欲しいと感じてしまったところもありまして今回45Sに試乗してみたくなったのです。

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さてさて、メルセデスAMGが誇る化け物マシンはどんな感触だったでしょうか。

以下記載していきます。

簡単まとめ:★★★★★★☆☆☆☆(6点/10点)

運転していて楽しいか - ★★★☆☆

魅力的なエンジン音か – ★★★☆☆

生活スタイルに合っているか – ★★★★☆

乗り込む時にワクワクするか– ★☆☆☆☆

 

私が重視するのは、ドライブフィール・エンジンサウンド・ライフスタイルとの合致、乗り込む時の高揚感、この4点です。

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– そこのけそこのけ、GLA様のお通りだ

(縦に伸びるパナメリカーナグリルは高性能の証、とても厳つい)

昨今のメルセデスAMGの威圧感は飛ぶ鳥を落とす勢いで上昇しています。

選ばれたモデルにしか取り付けられなかった高性能の証であるパナメリカーナグリルは、実はGLA35などにも取り付けられるようになっています。

以前はAMGの最上位モデルである、45Sや63Sにしか設定がありませんでした。

公道での優位性を今まで以上に得るためにAMGモデルは全てこの縦縞グリルを装着されるようになったのでしょう。

このフロントグリル、知ってる人間からすると畏怖の対象でしかないですね。

後ろにこの顔が見えたらとっとと斜線を譲っておきましょう。

 

(リアはフロントからうって変わってナチュラルな趣、マフラー以外は通常モデルと同一)

最近メルセデスのデザインはトップに向けて絞り込むおにぎり形状が目立ちますね。

サイズが大きくなればなるほど顕著で、GLEなどをホワイトカラーにすると膨れたお餅のような見た目に…笑

良い悪いではないですが、室内空間の確保を是とする日本のSUV群とまた違ったアーキテクチャです。

個人的にはGLA~GLCくらいが昨今のメルセデスSUVでベストマッチなデザインかなと思っています。

 

(参考、GLA45Sのマフラー。片側2本ずつの合計4本出し)

(参考、GLA35のマフラー。片側1本出しで合計2本出し。)

 

メルセデスのデザインは全体的に好きです。(中にはお餅になったりするのもあるけど

私はポルシェのようにあまり折り目をつけないプレスラインが好きなのかもしれません。

 

(リア~サイドビューは流石のデザイン、全長は4,436mmと長くないが伸びやかに見えるような努力を感じる)

後ろ姿は動力性能お化けのスポーツマシンとは見えない見た目。

グレードバッジを見なければ至って普通なGLAですし、もっと言えば一般人はそんな細かいバッジなんか読んでません。

“おお、ありゃベンツじゃよ!随分大きくなったの・・ワシも若い時は・・フガフガ”

少し誇張が入っていますが、このくらいの認識かと思います。

 

つまるところ、見た目は普通・中身はモンスター。

これを良しとするかどうかでまた判断が変わってくる車の1つかなと思いました。

デザインは好きです、◎!

– AMGだけど、根っこにはAクラス

(通常のモデルと違い、GLA35と45Sにはアルカンターラステアリング+AMGロゴ入りステアリングに)

内装は最新のメルセデスのデザイン哲学に基づき、とても快適。

インテリア1つ1つの質感も高く、“イイクルマに乗ってる”感はピカイチです。

実際国産車ではまだ到達できていない域ですし、アウディやBMWもこのインテリアは真似したくなるほどでしょう。

 

(インテリアはCクラス・Eクラスと言われてもなんとなく納得感があるほど質感高い)

後席からのルックスも、言葉に言い表せないような整然と整った高級感が漂います。

アンビエントライトがついてるのも雰囲気アップの要素ですね。

個人的にはいらないけど…笑

 

(センターコンソール周り、先代までのクソほど使いづらいナビゲーションシステムは見事に消え去った)

手に触れるところはもれなくスベスベ。ノーストレスです。

細かく見ていくほどお洒落の洪水が溢れてしまうのがGLAです。

それくらいに洗練されているのですが…

 

(オプション設定のAMGパフォーマンスシート、パッケージではあるが¥603,000也・・高い・・)

個人的には”AMGという特別モデルに乗っている感”がちょっと薄味に感じます。

AMGというモデルは主に目に見えない足回り・エンジン諸々を煮詰めたスポーツモデルです。

もちろん見えるところも写真のようにシートなどが変更され、AMGモデルであるという証は随所に散りばめられているのですが…

 

(インジケーター類、全て液晶になって視認性は良。AMG専用のパフォーマンス画面もある)

個人的にはAMGである、特別モデルであるということをもう少し主張してくれてもいいかなと思いました。

結局のところ、GLA35だろうが45Sだろうが、最廉価のAクラス範疇なんですよ。

いくらエクステリアが厳ついとか、インテリアがCクラスとどっこいの質感とか、420馬力を発揮するとか。

そういったアピールポイントがあったとしても、Aクラス以上にはなれていない。(当たり前かもしれないけど

 

だから、1つ1つの凄みはわかるけど費用対効果が悪いと感じてしまいます。

詳しくはまとめで後述しますが、私はここがずーーーーっと引っかかってましたね…

– 思わず蹴り出したくなるエンジンバイブス

AMGモデルのエンジンはフィロソフィーに基づき、1台1台エンジンにエンジニアの名前が刻まれます。
45Sも漏れなく名前が彫り込まれる特別なエンジンの1つであり、そこが35との確固たる違いと言えるでしょう。
搭載されるエンジンはA45Sと同様のM139型。
ホットハッチの爆裂サウンドがSUVから発せられる意外性があります。
音だけじゃなく、実際めっちゃくちゃ速い笑
0-100kmはわずか4.3秒!
ベースグレードのケイマンが5.1秒と考えると、生半端なスポーツカーより圧倒的に速いんです。
でもって、室内のサウンドはとても良質。
おそらくスピーカーからも音が出ていますが、これまた程よい塩梅で気持ちを盛り上げてくれます。
なかなかいいゾ…!?
35は速いけどちょっぴり刺激が足りない感じがしていましたが、流石に45Sは違いますね。
トップエンドまでスムーズに回って、ターボ特有の高回転でのトルク落ちもそこまで感じません。
流石ワンマン、ワンエンジンをモットーにするAMGエンジンです。
◎◎◎!

– どこまでもスムーズ、どこまでもセーフティ。
気になりポイントは2つだけ

(左側にフットレストは無い、けどそこまでレイアウトに違和感無し。長時間は…?)

ドライブフィールとしては、正に題目の通り。

どんな状況でもスムーズだし、(限度はあるけど)どこまでも安全に走れます。

DCTは極低速域でもスムーズに繋がるし、踏み込めばほぼラグなく加速を開始してくれます。

最近この手のSUVに乗る度書いてるんですが(笑)、万能な車です。

特にGLA45Sに関して言えば、高水準に万能です。

このままリッツカールトンのバレーパーキングに向かってもまったく問題ないし、富士スピードウェイを攻めてもある程度には問題ないでしょう。

 

そして当たり前ですが速い!

アクセルを踏み込んだ時にスピードが2次関数的に増していくのはマカン(ベース)の感覚に近いですね。

ただ大きく違うのはトップエンドでトルクが失われず、しっかりと加速感が増していくこと。

というか、あまりにも速すぎて公道では加速感が無くなるまで踏み続けられません笑

曲がり角でそこそこスピードが出ていてもググッとフロントの向きを思うように変えていけますし、ロールもほとんど感じません。

これは楽しい。思ったようにカーブラインを描けていけます。

走りを楽しむためのクルマというのを実感します。

 

ただし、1点目の気になりポイントとして乗り心地の硬さを感じました。

通常モデルのメルセデスは乗り心地がシモンズベットの上かと勘違いするほどリラックスできる環境です。

しかしながら45Sは足回りがかなり引き締められており、尚且つパフォーマンスシートのクッション性が薄く細かな振動がお尻から伝わってきます。

これによって高速でカーブを曲がっていても破綻しない強い足腰を手に入れているわけですが、同乗者はそうもいかない。

運転している自分はまったく問題ないのですが、ステアリングを握っていない人には相当気になる類の振動だと思います。

ゴリゴリゴリ…っとアスファルトの状況がダイレクトに伝わるような感覚ですね。

 

そして、この感覚はCLA35ではまったくありませんでした。(CLA35も運転席・助手席座ってます

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私の感覚ですが、

35 = 乗り心地ほぼそのまま・性能は超サイヤ人2

45S = 乗り心地ゴリゴリ・性能は超サイヤ人ゴッド超サイヤ人 SSGSS(ドン!)

こんな感じです。

足回りとエンジン回りを相当仕上げてきてるのがよくわかりますが、家族で移動することも多い車でしょうからここは吟味するべき違いでしょうね。

 

2点目の気になりポイントはブレーキのフィーリング。

GLA45Sではブレンボ製6ポットキャリパーとなるため、制動力自体は問題ないと思います。

ただこのブレーキストローク量が気持ちサーキット寄りに設定されているのか、街乗りで止まろうとするとそこそこ踏力を必要とします。

フィーリング的にはマツダ車に似ているかもしれません。

こちらも35では感じられなかった部分ですね。(ちなみに35は4ポッド)

味付けの問題だと思いますが、私的にはこの点が試乗の間ずっと気になっていました。

マカンに乗った時もケイマンに乗った時も、初めてに関わらずブレーキフィールはピタリと呼吸が合う感覚だったので、そもAMGとの相性が悪いだけなのかも?

 

ただそれ以外に関しては十分すぎる、というかそこまで必要なのかと驚くほどハイレベルです。

サーキットを走ったことは私はまだありませんが、このまま走れてしまいそうなポテンシャルを感じます。

まとめ(買いか?):やっぱり価格が高すぎる・・

運転していて楽しいか - ★★★☆☆

かなり意のままに操れる車です。楽しいですよ。

おそらくその背景にはドライバーに悟られないように綿密で精密な電子制御が入っているおかげであって、ちょっと歪な書き方をすれば運転が上手くなったと勘違いさせる類のものです。

過信はしないように。

しかしながら、ブランドイメージの影響もあるのかBMWよりも“最後は車がなんとかしてくれるだろう”という安心感があります。

ピュアなドライビングプレジャーを味わうにはBMWの方が一枚上手ですが、安全に楽しく走るにはAMGを選ぶべきでしょう。

ただ車としてはもう少し突き抜けた個性があっても面白いなと思いますね。逆に万能すぎる感が…。

A45Sだと私にピッタリなのかも。

魅力的なエンジン音か – ★★★☆☆

あまり期待はしていなかった部分が大きかったのですが、これは良い意味で裏切られました。

やはりAMGが手掛けるエンジンは4気筒であっても本気です。

素晴らしい。

4気筒はどうしても6気筒や8気筒の艶やかな音色には及びませんが、SUVからホットハッチのようなバフバフサウンドが聴けるのはGOODですね。

生活スタイルに合っているか – ★★★★☆

(荷室容量は430Lほど、SUV比較では少し容量小さめ)

SUVは売れるジャンルなのがよくわかりますね。

見た目もそこそこ格好良いし、タッパがあるから塊感があるし、5人乗れるし。

そして荷物も積める。

これ一台でなんでもござれな車なので、利便性はピカイチでしょう。

おまけに夜のC1を爆走しても大丈夫。

乗り込む時にワクワクするか– ★☆☆☆☆

統一されたメルセデスデザイン自体は好きなのですが、やはりどちらかというとラグジュアリーな印象が強い。

の車が保有する動力性能は素晴らしいものだと思うのですが、個人的にこのデザインにスポーツ性を求める気にあまりならないんですよね。

これがA45Sとかだとまた変わってくるかも?

ワクワクというよりかは安心感、ファミリー感が先行してしまいます。

それ自体は良いことなのかもしれないけど笑

総合評価:★★★★★★☆☆☆☆(6点/10点)

動力性能だけを見ればめちゃくちゃ凄い車です。インテリアも超お洒落。

ただ、私の点数があまり高くないのはこの車の“価格を高く感じてしまう”からです。

最近はあまり車の価格を大々的に書いていませんが、GLA45Sは新車価格¥9,210,000~です。

さらにここに、

・パノラマルーフ(\183,000)
・AMGアドバンスドパッケージ(\241,000)
・AMGパフォーマンスパッケージ(\603,000)

が乗ってくることが多いはずです。

(45Sは流通台数が少なく、国内にある個体を探すと基本オプション全部盛りしかない)

 

諸経費なども勘案すると、この車のスタート価格は¥10,500,000~くらいとなります。

私も提示された金額は上記の金額スタートで、メンテナンス等を取り付けていたので更にプラス。

とても高く感じてしまいました。

 

そしてここからはイチ消費者の私見として書きます。

私はメルセデスやAMGに特別な思い入れはありませんので、動力性能が化け物級であってもAクラスである以上、物差しが“メルセデスAクラスのグレードの中の”45Sとなります。

感覚として、私はどうしてもAクラスに1000万以上をかける価値までは見いだせず、そのお金があったら私はポルシェのマカンSなりを買ってしまうと思います。

それこそ、AMGは諦めてメルセデスのCクラスEクラスを買っているかもしれません。

ブランド内でのクラスヒエラルキーが強い以上、こういった事はままあることなのかもしれませんが…

同じお金をかけるだけの価値を、私はこのクルマには見出せませんでした。

 

ですが、クルマとしては素晴らしいと思います。

めっちゃ速いし、そこそこ乗り心地も保証されているし、安全。

そしてAクラスヒエラルキーの中では最上です。

合う人にはこれしかない唯一性があると思います。

 

 

ちなみに、カーセンサーでGLA45Sを検索すると900万ちょっと~ 認定中古車が購入可能です。

900万からなら納得できる価格なので、買うなら中古選んじゃうな…笑

 

ではまた次回!

 

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