試乗記, ポルシェ 718ボクスター:風切り野を駆け気魂震わす

(最終更新日:2021.11.1)

こんにちは、アキタローです。

マカンの12か月点検に合わせて、ちょっとワガママを言って718ボクスター(デモカー)を1日台車として貸してもらいました!

 

印象としては…

”文句なんてほとんど無し!魂まで感化される最高に楽しいスポーツカー

といった具合でした。

 

もう、全体的に素晴らしすぎて私のような素人が語るにはおこがましいくらいです。

特にシャシー・足回り部分の剛性感・地面への吸い付き感は感動するレベルでした。

ただ、以前から色々な方が言及されている通り718となって大きな変更点となった水平対向4気筒ターボエンジンは好き不好き分かれると思います。

私はこのエンジン好きな方ですが、水平対向6気筒NAエンジンを知らないのでまずはそちらを試乗してみたいですね。

低速からも湧き上がってくるトルクは街乗りで非常に快適ですし、低回転からターボがかかるので追い抜き時もストレスありません。

エンジンサウンドはどうしても4気筒の範疇ですけども、通常の直列エンジンとは異なる水平対向特有の低いうなるようなサウンドは癖になります。

 

※ケイマンではありますが、GTS4.0にも試乗してきました!乗り心地◎、エンジン◎、こちらも最高です。

関連記事

(最終更新日:2021.11.1)こんにちは、アキタローです。今回はポルシェの718GTS4.0に試乗してきた記事です。なんと2回!笑 我ながら運が良かったとしか思えない事もあり。忘[…]

 

私が重視するのは、ドライブフィール・エンジンサウンド・ライフスタイルとの合致・乗り込む際の高揚感、この4点です。

詳しくは以下をどうぞ。

関連記事

(最終更新日:2021.10.13)かなり考えが偏っていますが、自分なりの3カ条です。※2020年12月追記評価項目に・乗り込む時にワクワクするか を追加しました。試乗記の際、順次追加していきます。運転してい[…]

ポルシェ 718 ボクスター(ベースグレード)のスペック

スペックは下記のとおり。

新車価格:812万円~1,110万円

試乗車:718 ボクスター ベースグレード PDK (MY2019でオプション込み約930万円、オプション表は撮るの忘れてました…)

全長4,385 mm
全幅1,825 mm
全高1,280 mm
車両重量1,390 kg
エンジン水平対向4気筒 ターボチャージドエンジン

排気量 1,988cc

300馬力・トルク38.7kgf m

MRの2シータークーペとしては標準的な全長・全幅です。

車両重量は重めな部類ですね。

例えばロータスのエリーゼで900kg前後、MRではないですがBMWのZ4で1500kg程度です。

アルピーヌのA110であれば1,110kg、アルファロメオの4Cであれば1,100kgとなり、やはり他MRクーペ等と比べると重い方です。

(とはいえ、比較対象が軽さを追求しているモデルで恐縮ですが…笑)

ちょっとジャンルが異なりますが、フォルクスワーゲンのゴルフGTIと同程度の重量(1,380kg)ですね。

そんな重量の車に300馬力のエンジン…もうおわかりですね?

0-100kmのタイムは、スポクロのローンチコントロールを使って4.7秒ほど。

2.0Lのダウンサイジングターボとはいえ、そこはもちろんスポーツカー。

積載性の良さからも乗用車としても使える車ですが(笑)、必要十分な速さですね。

 

それでは、

・エクステリア
・インテリア
・ドライブフィール
・エンジン
・ライフスタイルとの合致
・まとめ(買いか?)

この順番でレビューしていきます。

エクステリア:ほんの少しだけ古さを感じるが、普遍的で美しく滑らかなデザイン。

まずはエクステリア。

誰がどう見てもポルシェだとわかるシルエットです。

流線形のボディラインから伸びる、なめらかな曲線の数々。

移動のためじゃなく、楽しむために生まれてきたこのクルマは全てが無駄のない美しさで構成されています。

改めてじっくり見てみると、ポルシェってド直球の”カッコイイ”ではないんですよね。

“愛くるしさ”の中に凛とした芯が通っているような、一言では表しづらい“ちょっと捻ったカッコイイ”が内包されていると思います。

そこがまたイイ。

 

リアから見ても線という線が導き出す艶めかしいエクステリアはまったく隙が無い。

ポルシェデザイン特有のリアフェンダー付近の膨らみもコンパクトながらグラマラスなボディラインを強調します。

ジェットブラックメタリックというオプション色ではありますが、特に深みのある黒色で見入ってしまいますね。

車体への映り込みもとても綺麗ですから、地の塗装の良さがわかります。

 

オープンカーですから、もちろん幌を開ける事が出来ます。

この状態がやっぱり様になりますね!

幌が無くなることで車高が低く見えますから、正にスポーツカーという出で立ちに。

ベースグレードなのでマフラーは1本タイプになりますが、我々のようなマニアでないとこういった細かいところの違いはわからないでしょう。

一般ピーポーにとってはめちゃカッコイイオープンカーとしか見えないハズ。

 

リアフェンダーあたりから室内を映すとこんな感じに。

ステアリングにチラと見えるポルシェエンブレムがまた小粋な雰囲気を出してますね。

席の間に見える網戸みたいなものはウインドディフレクターです。

これが有る無しでオープン状態での風の巻き込みが随分異なります。

幌も滑らかで綺麗。

 

もう少し近づくとインテリアの様子が見えてきます。

このデモカーは内装についてはデフォルトに近い状態ですね。

質実剛健なドイツ車らしい、黒を基調とした無機質ではあるもののシックにまとまった内装です。

個人的にはオープンカーは内装も見られやすいので、拘りたいところですが…。

あくまで走りを堪能してね、という位置づけのデモカーでしょう。

 

フロントのボンネットにはもちろん金色に輝くシュトゥットガルト市の紋章。

明るい色のポルシェ達をよく見ますが、ダークな塗装色もエンブレムが映えていい感じです。

当日は曇り空でしたが、車体に映りこむ空が見えます。

晴天の日は車体から覗き込む青空もオツなものなのでしょうね~。

 

改めて後ろから。

月並みなコメントを書かせていただくと、とってもエッチ。

718ボクスターはドイツのビヨンセだった??

 

こんなに魅力的なお尻を見せつけられたらA〇GさんやなんとかMさんが黙っていられず、グイグイと718に引き寄せられるのも納得です。

蠱惑的な、メンズウィメンズ限らず心を惑わす色気がたっぷりと吹き込まれていますよね。

たまらん・・・・・・・・・・。

 

自分でドライブしていると後ろ姿って滅多に見ることはないのですが、他人に運転してもらって見る車の後ろ姿はまた違った趣がありそうですね。

こういう工芸品級のクルマを眺めながら飲むお酒とかはさぞかし美味しいんだろうなぁ。

はやくガレージハウス作らなきゃ…笑

 

インテリア:あくまで走りに特化したデモカー。組み合わせは自由自在。

先に書いておきますがポルシェのインテリアは本当に組み合わせが自由自在で、お金のかけ具合によって内装は雲泥の差で変わってきます。

その上でのデモカーの評価ですが、それなりという判断です。

ブラックを基調とした味気ないインテリアであるものの、部品1つ1つのしっとりとした品の良さを感じることが出来ます。

ただ、ダッシュボード上などはどうしてもプラパーツが多めになってしまうのがデフォルトインテリアの辛いところ。

スポーツクロノパッケージの時計があることによって、幾分かインテリアも引き締まっているように見えるのが良い点です。

 

それでも見た目はそれなりの、こういったプラパーツも組み込み精度はかなり高くガタつきはほぼありません。

質実剛健という言葉通り、ドイツ車規範となるような仕事をしているのがこのような細かいところからもわかりますね。

 

センターコンソール類も現911世代からは一歩遅れているアナログチックな設えです。

718も次のモデルチェンジでここもデジタル表示になるのでしょうね。

私はどちらかというとこういったアナログみがある方が好みです。

ボタン類もオプション類が無いため最低限ですね。

 

ちなみに中央の窪みはiPhoneはもちろんペットボトルも入りません。(・.・;)

紙パックのカゴメ野菜生活100くらいなら入るのではないでしょうか。

 

シートもデフォルトのスポーツシートとなります。

デフォルトと侮るなかれ、これで十分な座り心地とホールド感を提供してくれます。

サイドもしっかり張り出してくれているので、公道程度であれば体が持っていかれることはほぼ無いでしょう。

サーキットだとちょっと心許ないかな…?

ステッチもしっかり入っていて流石の質感です。

 

ちなみに…

ポルシェのコンフィギュレーターでちょっぴりインテリアに拘った画像を載せておきますが、変幻自在です。

拘れば本当にどこまででもお金をかけられてしまうので、ほどほどが一番ですね。

 

ドライブフィール:今まで乗ったクルマで一番良い。

最高の最高です。

大事な事なので2回言いました。

マカンも相当良いドライブフィールを誇りますが、やはりスポーツモデルは次元が違いました。

 

走る、曲がる、止まる、加速する。

この4点、他の追随を許さないほどの高みにあるんです。

だからそれだけの要素、“普通に運転してるだけ”で楽しいんですよ、ポルシェのドライブって。

 

ケイマンにも以前乗りましたが、ほぼ高速しか乗っていなかったのでこの真価に気づくことはありませんでした。

そういう意味ではせっかく貸してもらったのに勿体なかったなぁ。

 

今回は下道を中心に山あり谷ありの味わい深い道を通ることが出来ましたので、肌で実感することが出来ました。

 

MR特有のフロントノーズが小気味良く曲がり角の先に切り込んでいく軽快なステアリングフィール、格別です。

ブレーキを察知してドライバーの半歩先の動きを読み取り雷光の速さでシフトダウンするPDKの賢さ、並はずれています。

どんな時でもヨレないタレないスポーツシャシー、極上です。

 

もちろん、コンフォートモードの乗り心地もそれなりに良かったです。

ただ1点失敗したと思ったのが、PASMの有無の確認。

通常センターコンソールに電子制御ダンパーの切り替えスイッチがあるんですが、このデモカーは見当たらず。

このシステムがあるなしで随分乗り心地は変わりますから、確認しておきたかったのですが…。(-.-)

(最近の日本仕様モデルだとデフォルト搭載?)

 

峠道などは最高に楽しいクルマですが、この乗り心地で長距離はどうでしょうね。

当日はなんだかんだ150km近く運転していましたが、ポルシェセンターへの帰り道は少し乗り疲れていました 笑

ですが普段使いもまったく問題ない感覚です。

慣れの範疇もあると思いますね。

 

とにかく、素晴らしいドライブフィールでした。

 

100点!

 

エンジン:4気筒だが必要十分にスポーティ。欲を言えば…

718ボクスター(ベースグレード)の始動音と加速音の動画です。
音の迫力自体は結構なものだと思います。バブリング音もしっかりありますし。
0-100km加速も4.7秒ほど。十分ですね。
実際、日本の公道ではこれでも使いきれないほどの性能ですから。
今回デモカーとして借りたのは通常の2.0Lモデルのボクスターです。
この上にも2.5LになったSグレードと、旧GTSグレード(2.5L)と新GTSグレード(4.0L)が存在します。

ちなみに以前借りたケイマンはSモデル、2.5Lでした。

期間も空いてしまったので単純にSとの比較できないのですが、それでも感じたのが2.0Lモデルの低回転のトルクの細さ。

駐車場で低速・低回転で移動する時は煩わしさを感じました。

2.5Lモデルは低回転でもしっかりトルクが出てきますので、単純に排気量の差なんでしょうかね。

重箱の隅をつつく様な事を書いてしまいましたが、それ以外の事柄で2.0Lのエンジンにほぼ不満はありません。

300馬力もあれば十分楽しいスポーツドライビング足りますから。

 

しかし、やはり用意されているのであれば6気筒のNAエンジンに乗りたいですよね。

あの水平対向エンジンの渇いた熾烈な咆哮を味わってみたい。

GTSグレードの4.0Lモデルはマニアな言い方をすると982のシャシーをそのままに、エンジンだけ981相当に回帰した垂涎モノの個体だと思っています。

いつか乗ってみたいですね。いや、がんばって乗れるようになります 笑

 

ちょっと脇道に逸れてしまいましたが、718ボクスターはベースグレードのエンジンでも十分楽しいです。

が、官能さという意味では4気筒なので物足りなさがあります。

贅沢な悩みだとは自分でも思いますけどね 笑

 

ライフスタイル:めっちゃ楽しいクルマに収納BOXがついてくるよ!

718ボクスターの荷室容量は、前後合わせて280Lです。

内訳としてはフロントが150L、リアが130L。

上記の写真はリアラゲッジスペース。

 

よく荷室容量テストもされてますが、フロントはミドルサイズのスーツケースが2つ入るくらいのスペースです。

フロントはこんな感じ。

結構底が深いので荷物は結構収納できます。

 

気を付ける事柄としては生鮮食品や冷凍食品の持ち運びでしょう。

冷房が効く場所は助手席くらいしかないので、生鮮食品を運ぶ時は小型のクーラーボックスがあった方が良いかも。

リアラゲッジはエンジンが近いせいでおそらくアイスが溶けます 笑

冷たいものはフロントラゲッジか助手席ですね。

 

ちなみにマカンはリアのラゲッジスペースだけで500Lです。

比べるものじゃないですけど 笑

しかし、これだけの荷室容量があれば日常の買い物などでも十分事足ります。

 

難点を上げるとすれば、やはり2シーターというのが大きいでしょうね。

スポーツクーペには2+2シートのモデルもありますが、それとの大きな違いは後席に物が置けないことです。

乗り込んでから荷物を後席にひょいと置ける手軽さは普段使いでかなり重宝します。

2シーターは、特に女性用のバッグなどは二人乗っている状態で室内に置こうとすると置き場所に困るのではないでしょうか。

フロント及びリアラゲッジにはバッグ類も置くことができますが、取り出すためにはいちいち運転席脇の開閉ボタンを押さなければいけないですから面倒です。

まあ、これこそ重箱の隅をつつく事柄ですね 笑

“そういう”クルマじゃないので、逆にオープンカーなのにこれだけの容量を確保してくれているのはすごい事だと考えるべきでしょう。

 

まとめ(買いか?):買います。(いずれ 笑)

まとめです。
(★5つで評価)

運転していて楽しいか - ★★★★★

めっちゃくちゃ楽しいです。

運転していてこんなに楽しいクルマはなかなか無い。

更にこのクルマは屋根が開きます。

季節の移り変わりを直接肌で感じながらクルマと過ごしていく事はケイマンではできない、オープンカーであるボクスターにしかない強みです。

Fun to Driveという意味では悪い点が見当たりません。

満点です!文句無し!

魅力的なエンジン音か – ★★☆☆☆

4気筒ながら力強いエンジンサウンドが聞こえます。

低回転トルクは弱いですが、私は低回転サウンドが結構好きです。

バブリングもかなり派手ですね。

★2つ。

生活スタイルに合っているか – ★★★☆☆

荷室容量もオープンカーにしては破格だと思います。

普段使いも問題ないでしょう。旅行も2泊3日程度であれば十分事が足りる。

しかしながら、2シーターですのでどうしても二人しか運べません。

ですので、家族が増えれば足車が必要になってきますね。

オープンカーとしては素晴らしい積載性です。★3つ。


以上となります。

 

718ボクスターを一日乗り回して。

人生で一番楽しいドライブだったと言っても過言じゃない!

オープンカーかつMRというレイアウトがここまでクルマとの一体感を味わえるとは想像していませんでした。

なんとか都合をつけて、無理してまでもこのクルマに乗っていきたい!と強く思ったのは随分久しく思います。

 

マカンも相当良いクルマですが…やっぱり背の低いクーペボディは絵になりますよね。

人+クルマで写真を撮った時の映え方がSUVとはやっぱり全然違います。

ちなみに、この写真の人物は私ではありませんのであしからず(笑)

せっかくデモカーが借りられるので、車好きの友人と楽しんでいました。

 

まとめると、

私はこのクルマに惚れました。いずれ買います。5年後くらいかな 笑

素晴らしいクルマです、ホント。

 

このようなクルマを、丸1日快く貸し出していただいたポルシェセンターさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

これをキッカケにして、私はこの果てしなく長いポルシェ道を今駆け上がり始めてしまったのかもしれません。

ありがとうございました!

 

ちなみに…ケイマンですがGTS4.0にも試乗しています。合わせてどうぞ!

関連記事

(最終更新日:2021.11.1)こんにちは、アキタローです。今回はポルシェの718GTS4.0に試乗してきた記事です。なんと2回!笑 我ながら運が良かったとしか思えない事もあり。忘[…]

 

ではまた次回に。

今後、ますます頑張らなきゃいけない理由が出来ましたね。