試乗記, プジョー 208(新型):新世代のアイコニックデザイン

(最終更新日:2021.11.1)

こんにちは、アキタローです。

今回は日本で発売したて プジョー 新型208に試乗してきました!

 

印象としては…

”Bセグメントのマスターピースに近い

です。

素晴らしいですよ、こやつは。

 

エクステリア・インテリアのデザイン、特にこれが良いクルマです。

この価格帯(300万円前後)ではほぼ唯一と言っても過言ではない力の入れよう。

実際の質感も良かったです。

ロードフィールとしては乗り心地は良いものの、静粛性の部分に粗を感じました。

しかしながら、機敏に動く脚は快活。

乗っていて面白さを感じます。

 

相変わらず塗装は弱そう…色合いは素敵なのですが。

 

ちなみに新型208にはEVモデルも設定されていますが、まだ20年8月末時点では試乗車として登録されていません。

ディーラーの方にお話を伺うと、まだ現時点では具体的な日本に入ってくる日にちなど未定とのことでした。(10月に入ってきたようですね)

ですので、今回はガソリンモデルの試乗です。

 

2008も試乗してきましたので、気になる方はコチラもどうぞ。

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私が重視するのは、ドライブフィール・エンジンサウンド・ライフスタイルとの合致、この3点です。

詳しくは以下をどうぞ。

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プジョー 新型208のスペック

スペックは下記のとおり。

新車価格:239万円~293万円(EVモデルは389万円~423万円)

試乗車:208 GT Line (293万円)

全長4,095 mm
全幅1,745 mm
全高1,445 mm
車両重量1,170 kg
エンジン直列3気筒 ターボチャージドエンジン

排気量 1,199cc

100馬力・トルク20.9kgf m

サイズ感は一昔前の”コンパクト”よりもどうしても巨大化していますが、他車種も得てして巨大化していますので比較で考えれば小さめです。

そしてなにより軽い。

軽いことはクルマにとって、ほぼすべての事柄に良い結果を与えます。

スペック上はエンジンが非力に見えるかもしれませんが、乗ると必要十分だと感じることができます。

試乗した際も”これで十分”と感じる、ちょうど良い塩梅でした。

 

競合はVW ポロ、ルノー ルーテシア等同じBセグメント車でしょう。

特に同じフランス車であるルーテシアは今年10月に日本発売を控えているため、今後比較する人は増えるでしょうね。

 

それでは、

・エクステリア
・インテリア
・ドライブフィール
・エンジン
・ライフスタイルとの合致
・まとめ(買いか?)

この順番でレビューしていきます。

エクステリア:勇猛溢れる獅子の矜持、珠玉のアイコニックデザイン

一目見た時 この言葉です。

“カッコイイ!”

本能的にそう思わせるのが最新のプジョーデザイン。

百獣の王がコーヒーミルを製造していた時代から脈々と受け継いできたエスプリはまったく衰えないどころか、ここにきてますます洗練されてきています。

 

サイズ感はもちろんBセグメント車ですので、コンパクト。

しかしながら、クルマのエクステリアを一つのキャンバスとしてダイナミックに描くセンスは流石です。

これは以前3008に試乗させていただいた時から思っていますが、プジョーはこの点 デザインが本当に巧みですね。

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そして、注目はこの3本LEDヘッドライトと大きな牙でしょう。

どのグレードにも牙モチーフのデイライトは備わりますが、ヘッドライト部分の3本LEDはGT Lineのみの装備。

アルファライオンたるこの貫録を味わうためには最高グレードのGT Lineを選択しなければいけませんが、Bセグメントデザインの頂点を300万以下で味わえるのであれば安いものです。

2020年欧州カーオブザイヤーを2019年王者のジャガーから奪い取るのも納得の出来栄え。

 

真正面からでなく申し訳ありませんが、ライトを点灯した時の迫力は正に獅子。

路上ではもやしっ子扱いされがちなBセグメントですが、この勇姿を目にすれば上位セグメント共もすくみ上がるはずです。

この面構え、”狩る”側のヤツらだ……!

 

フロントはそこまで長くありませんが、うまく面を使って演出しているためかデザインで正面が詰まった感覚はありません。

508から連なる特徴的なこのデザインを、しっかりと小さなプラットフォームに落とし込んでいますね。

 

横からのプレスラインも滑らか。

Cピラーの傾斜も昨今の流行りのクーペっぽい落とし方ですね。

 

いつものナナメウシロからの写真です。

このCピラーにグレード名を持ってくるのは面白いですね。

この写真で見るとわかるのですが、塗装が粗いのがちょっと気になります。

(反射して写る風景が粗い。塗装の粒が大きいと言うんでしょうか)

塗装に関してはまだまだマツダ等一部の国産車、ドイツ車には届かないかな…。

色合いはとってもオシャレなんですけどね。

 

リアもコンパクトながら精一杯プジョーデザインを描いています。

208も小さいながら508からの系譜であり、プジョーファミリーであることを実感できますね。

 

リアのテールライト、ここも特に格好良い。

近づいて見てみるとかなりメカメカしいため、少年心を擽られます。

それにしても綺麗な発色です。

LEDユニット自体も大きめだと思いますが、ここまでクッキリと発色できているのはなかなか無いかと思います。

メルセデスやBMWも積極的に明るいLEDライトを採用していますが、このリアテールライトはそれらより目立つと思いますね。

 

細かく見てみるとPEUGEOTの文字が入っております。

さり気ないですが、オーナーの満足感をプラスする小粋な演出ですね。

 

ホイールは17インチ。

洗車はちょっと大変そうですが、デザイン重視でこれまた魅力的なホイールです。

 

ただ、気になるところが1点。

この鍵穴、どうにかならなかったんでしょうか。

せっかく綺麗に整ったエクステリアなのに、ここだけ浮いてしまってます。

既に若干錆びついてるし…笑

 

 

さてさて、一旦はエクステリアの総評です。

“この価格帯で考えると最高峰のデザインセンス”

と、感じました。

 

どの角度から見ても恰好良いですから。

ただ、塗装は……非常に勿体ないなぁと思います。

 

インテリア:フランスへと誘う、優雅な演出

安いコンパクトカーだから…。

クルマに対してお洒落なインテリアを諦める時、そんな言葉が頭に思い浮かばないでしょうか。

ところが、この208は違うようです。

 

しっとりと雰囲気を纏った豪華な雰囲気。

なかなかこのクラスのクルマでは味わいづらいリュクスな佇まいが、眼前に広がります。

この内装はまたしてもGT Line専用となってしまいますが、それを選ぶだけの価値はエクステリア以上にこのインテリアにあります。

 

継ぎ目なく入ったステッチ、しかも二色使われています。

普通の才能で有ればここに白とか黄色を縫い付けるのでしょうが、芸術の都 パリに本社を置くプジョーが送り出すデザインは違います。

蛍光グリーンとアクアブルーなんですよ。

 

色だけ聞くとアンマッチ甚だしい気持ちになりますが、この208はギリギリのところで調和しています。

逆にそのギリギリ感が“日常使いに支障はないが、退屈はしない”ラインをうまく突いていると思います。

(中間グレードのアリュールはグリーンステッチのみのようです)

 

見ればみるほど嫌らしい感じはしないでしょう。

プジョーは本当に見せ方がうまいですし、デザインセンスも1つ頭抜けていると感じます。

 

フロントドアの内側にもイエローステッチ。

インテリアに樹脂が多用されてしまう価格帯であり、それは仕方ないのですがうまくプラ感を消しています。

パリが誇る装飾技法は伊達じゃあない。

ただ、上部のカーボン”調”のパーツは無くても良さそうな気がします。

GT Lineというスポーツラインだからなのでしょうが、このクルマに求めるものでは無い気がします。

 

センターコンソールはいつものプジョー、大きく変更はありません。

中段のBOXはQi規格の置くだけ充電機能があります。

下部は小物入れ。

 

そして、特に驚いたのがこの機能。

アンビエントライト!

この価格帯でこれ実装しちゃうの!?

通常ラグジュアリー路線が必要になってくる400万円くらいからの、いわゆる高級車が”オプション”として用意しているものなのですが。

プジョーはエントリーモデルの208で実装してくるんですね…いや、すごいよ…。

ドイツ勢のAとか1とかと真っ向からやり合うぞという気概を感じます。

 

ちなみに色合いは、

・グリーン
・ライトブルー
・ブルー
・ホワイト
・ベージュ(?)
・オレンジ
・レッド
・ピンク

計8種類から選べるようです。

 

試乗したのが昼間だったので写真では薄らとですが、アンビエントライトが点灯しているのが確認できるかと思います。

ドアトリムにも伸びる一直線のライン。

派手すぎない、ちょうど良いライトですね。

Aよりスマートな光り方だけど、1ほど趣向を凝らさないレベルでしょうか。

 

本当に、どれだけ内装へ心血を注いでいるのか。

これ、Bセグメントのフランスで日常的に使われるコンパクトカーですよ?

日本風に言うのであれば、ヤリスやフィットにドアトリムまで伸びるアンビエントライトがデフォルトでついているんですよ。

正気か!?笑

この知識は無しで試乗していたこともあり、一番衝撃を受けた箇所でした。

改めて、すごいよプジョー。

 

後席もしっかりステッチが入っています。

手抜かりなし。

 

やはり、プジョーのインテリアは同価格帯で考えると素晴らしい出来栄えだと思います。

インテリア◎

ドライブフィール:しっかり車体で走っている

シャシーが新しいCMPプラットフォームになった新型 208。

しっかりとした走りです。

 

乗っていて思ったのが、直近で乗った同グループであるシトロエン C3とは違う乗り心地の良さがあるということ。

あちらが柔とすれば、こちらは剛。

しかし、ただ単に硬いというわけではなくある種のしなやかさが強い走り方です。

よくフランス車全般に言われている上記の表現ですが、他の言葉でどう表せばいいか…難しいですね 笑

サスペンションがよく動くというんでしょうか。

上下に動きはすれども不快な、不安にさせる動きはしません。

うまく路面からの衝撃を吸収してくれているようなフィーリングです。

それこそドイツ車のような剛性感も感じることができます。

 

その上で、ハンドル操作に追従してきっちり、かつ的確に動きます。

微細なアクセルワークにもきちんと思った通り反応してくれるエンジン。

ブレーキタッチも3008で感じたピーキーさは消えており、コントローラブル。

 

これは…。

走らせれば走らせるほど、楽しいクルマの予感がします。

峠道を走ってみてみたいとも思いました。

パドルシフトもついてるしネ!

 

ただ、ロードノイズは新世代シャシーにしてはちょっと大きめかなと思いました。

60km前後の速度で気になるか、気にならないか微妙なところの音量くらいです。

しかも、隣にディーラーセールスの方が乗っている状況で更に話をしている状況で、その印象でしたから一人で乗っている状況だといよいよ気になり始めるのではないでしょうか。

足回りからの静粛性はいまいちでしたが、他車両の走行音などはあまり抜けてきませんでしたから、その点はC3より良好ですね。

(世代的に当たり前か 笑)

 

3D i-cockpitと呼ばれる、情報を立体的に見れる技術も特徴的です。

写真に納めてしまうといまいちわかりづらいですが、それぞれのインジケータ表示が手前及び奥にそれぞれ配置されています。

これが見やすいかと言われると…微妙なところですが 笑

ステアリング同様、馴染めば使いやすいのだろうと思います。

 

通常は8速ATで滑らかにシフトアップしていき乗り心地良し。

スポーティに走りたい時もシャシーがきちんとついてくる。

 

これは、良いクルマですよ。

 

ただ…電動パーキングなのにオートホールド機能ないんですよね…。

エンジン:3気筒とは思えない

エンジンは先日も試乗させていただいたシトロエン C3と同系列の1.2Lターボ”Puretech”と呼ばれる、伝統と格式あるエンジンです。

これが、とても良い。

いやいや、侮ってました。

シトロエンC3に乗った時は不快な振動がダイレクトに伝わってきて、リラックスムードぶち壊しもいいとこだったんですが…。

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シャシーが新しいCMPプラットフォームだから?

不快な振動はまったくありません。

 

信号待ちからの発進もノンストレス。

正直、マカンより出だしは速いです。

マカンは車重(1,840kg)からも察する通り、スタートがモサッとしてます。

208はその半歩先を行く軽快さがありますね。

 

加えて滑らかにシフトアップしていくので街乗りで気になることは皆無でしょう。

同乗者からも不満は出ないと思います。

ただ、ガツリと踏み込んだ時のターボラグは気持ち大きいかなと感じました。

コンマ何秒かの世界なんでしょうが…。

 

最後に音ですが。

これは仕方ないですね、3気筒だし…。

期待するものでもありません。

 

しかし、3気筒とは思えない力強さを実感しました。

これで十分だと思います。

 

やはりスペックだけでクルマは語れない。

 

ライフスタイル:コンセプトが明確、是非街乗りで

208の荷室容量は265L。マカンは500Lです。

まあ、普通サイズというところでしょう。

トヨタ ヤリスと同程度。

家電量販店で買ったエアコンは後席を倒せば積めそうです。

 

このクルマの最適解としては、やはり“街乗り中心の送迎・お買い物カー”でしょうね。

この荷室容量だとアウトドアなどのアクティビティは結構ギリギリかと思います。

ましてや、2人3人と同乗者が増えると諦めなければいけない部分が出てくるはずです。

 

そして、Bセグメント全般に言えることですが。

後席空間が狭いです。

個人的に後ろに長時間乗るのは避けたいかな…。

 

このクルマで旅行はできなくもないですが、近場メインで考えるべきですね。

 

まとめ(買いか?):足車として第一候補となりました

まとめです。
(★5つで評価)

運転していて楽しいか - ★★★☆☆

良いクルマです。日々の通勤・お買い物・送迎にまったく問題なく使用できます。

ドライバーシートに包まれる度、センスあるインテリアが広がり日々の彩りは膨らんでいくことでしょう。

 

そして個人的に一番重要な点なのですが、208にはドライビングプレジャーを味わえそうな片鱗を感じました。

(実際に味わったわけではない 笑)

是非、このクルマを地元の道に持ち込んで走らせてみたい。

思わず笑顔になるような、絶対楽しいドライブになるハズ。

そんな願いがじんわりと思い浮かびました。

 

私はこのクルマのもっと感情を刺激する部分に相当期待しています。

その点も加味して、★3つ。

魅力的なエンジン音か – ☆☆☆☆☆

★半分があればそこに当てはまります。

3気筒にしては頑張っている、まだ聴ける音だと思いました。

スポーツモードにしたらバブリング音出してもいいのよ?

生活スタイルに合っているか – ★★★☆☆

ライフスタイルとの合致としては★3つです。

コンパクトカーですから、荷室や座席の広さなど割り切りが必要な部分が出てきます。

1人~2人乗車の普段使いはパーフェクトだったとして、3人~4人乗車の旅行やアクティビティに今一歩なところはホンダ フィットなどと比べると足らない点かなと。

あと、欲を言えば1台ですべてをこなせるのが私のライフスタイルとしては最良となりますので、速さが足らないかなと。

…半分冗談です 笑

乗り込む時にワクワクするか– ★★☆☆☆

日常の普段使いに繰り出せるクルマとしては非常に格好良いしお洒落。

高揚感はもちろん得られますし、スポーツカーなどと比べると若干・・と考えてしまうところありますが、十分良い車です。

あとやっぱりデイライトがめちゃくちゃ恰好良いですよね・・・!


以上となります。

 

振り返って思うのは、

“ほぼマスターピース。だけど、大きく気になる難点が。”

という印象でした。

 

気になる点としては、下記です。

今までも何回か触れてきました。

 

塗装の質が日本・ドイツ勢に比べると悪いように感じる。

ドアハンドルの鍵穴はうまく隠してほしかった。

オートホールド機能が無い。

 

この程度ですね。

逆に、この点以外は非常に良好です。

惜しい…。

 

エクステリア・インテリア、死角なし。

ドライブフィールも期待できる、少なくとも街乗りは◎。

 

本当に良いクルマです。

足車としては第一候補です。

 

おそらく今後、ルノー ルーテシアやプジョー 2008と私の中で争っていくことになるはず。

その前に一応VWにも乗っておこうかな…笑

 

さてさて、今回は以上です。

 

プジョーは相変わらず良いクルマ作りをしているなと再確認する事が出来ました。

3008でも驚いた部分が多かったですが、208も流石です。

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大差をつけて2020年の王者になったのには理由がちゃんとあるんですよ。

 

そして、2008も試乗してきていますので、合わせてご確認ください。

個人的には208がベストバイだと感じました。

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また次回に!

 

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