試乗記, レクサス RC-F(パフォーマンスパッケージ) :5L V8NAエンジン◎!

(最終更新日:2021.11.1)

こんにちわ、アキタローです。

今回はレクサス RC-F Performance Package(パフォーマンスパッケージ)に試乗してきました。

印象としては…

”外装内装ともに若干古臭さを感じるが、真価はエンジンにある

といった具合でした。

 

レクサスは以前SUV系を何台か試乗していましたが、2+2のスポーツカーはこれが初めて。

ちょい乗りしかできませんでしたが、ベタ踏みした時のエンジンサウンドはやはり圧巻です。マッドマックス感が素晴らしい。

野性味が強い音なので、粒の揃った耳障りの良い加速音ではありません。

がしかし、今やV8でかつNAなんてクルマは絶滅危惧種です。

レッドリストで言えばCR(絶滅危惧)です。

CC BY 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1493206

保護(買い支え)していかないと絶滅する…どころか騒音規制や排ガス規制で何もしなくても絶滅してしまうだろう、とても貴重なクルマです。

RC-Fのパフォーマンスパッケージは特にスペシャリティの高いクルマなので、試乗車として用意していただいているのはありがたい限り。

今回はもちろん、ファーストカーとして検討しています。

 

私が重視するのは、ドライブフィール・エンジンサウンド・ライフスタイルとの合致・乗り込む際の高揚感、この4点です。

詳しくは以下をどうぞ。

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レクサス RC-F Performance Packageのスペック

スペックは下記のとおり。

新車価格:1,040万円~1,430万円

試乗車:Performance Package (1,430万円)

全長4,710 mm
全幅1,845 mm
全高1,390 mm
車両重量1,720 kg
エンジンV型8気筒 DOHC 自然吸気

排気量 4,968cc

481馬力・トルク54.6kgf m

 

5リッターエンジンにも注目するところですが、意外と重量もあるんですよね。

2+2シーターで1,720kgはそこそこ重量級。

V8エンジンの重量が相当あるため、仕方ない部分ですけども。

直6スープラを比較に出せば、スープラは1,520kgです。その差200kg。

カマロSS(V8NA 1,710kg)とか、GT-R R35(V6ターボ 1,760kg)とかと近しい重量です。

全体の大きさ的には極端に大きくもなく小さくもなく、使いやすいサイズだと思います。

スポーツカーなのでもちろん0-96km(0-60mph)は5秒を余裕で切って、このグレードは3.96秒です。

通常のRC-Fでも4.0秒。

公道では使い切れないパワーですね…。笑

 

それでは、

・エクステリア
・インテリア
・ドライブフィール
・エンジン
・ライフスタイルとの合致
・まとめ(買いか?)

この順番でレビューしていきます。

エクステリア:1世代前感の古臭さは否めない。セダンとして見れば格好いい。

このエクステリア、個人的に格好良さはあまり感じないのです。

なんでしょう、セダンっぽさが随所に残ってるというか。チグハグというか…。

うまく言葉に表せられませんが、そんな印象です。

年次で改良を重ねて一部の意匠も変更されていますが、発売されたのが2014年。

6年も経てば陳腐化するのは少し致し方無いかもしれません。

フラッグシップモデルであるLCはかなり洗練されたエクステリアデザインだと思っているのですが、NXと言いRCと言い上位モデルをそのままダウンサイズしてくれればいいのに、と毎度思ってしまいます。(LCはRCより後発ですけどね)

RXでおなじみのヘッドライト付け根のナイキロゴが鋭くなったようなマークはデイライトです。

 

ボンネットはオールカーボン。

カーボンなのはスポーツカーとして軽くて良いけども、このクルマにカーボンボンネットが似合っているかというまたちょっと違うような気もします。

言い方が悪いかもしれませんが、下手にカスタムしてしまったチューンドカー的な…。

あんまり上品ではない部品ですね。

 

フロントリップスポイラーもカーボンです。

段差で擦ったら辛い事になりそう。

軽量化に力を入れていますよ!というのは伝わってきますね。

 

うーん、サイドから見た印象でもちょっとセダンみが強い気がしますね。

どちらかというとBMWに近いかなと。FRというレイアウトがそう見せるんでしょうか。

ドア脇にはレクサスのスポーツシリーズであることを象徴するFマークが与えられています。

プレスラインは一本スパッとリアに向けて右肩上がりのスポーティな形。

塗装に関して相変わらずレクサスはしっかりしてますね。

艶があり、深みのある色です。

 

ホイールはBBS製っぽい感じ。19インチです。

ブレーキキャリパーもしっかりしてますね。フロント6対向、リア4対向のサーキットも視野に入れたステータス。

スポーツカーに限らず、クルマのブレーキは本当に大事ですからね。きちんとしたものがついていることは良いことです。

ちなみに私のベースマカンはフロント4対向、リア片押し。笑

 

リアは特にセダン感が強いですね。使えるシャシーがセダンベースしかないからなんでしょうか?

リアのトランク付近なんかカーボンウイング外したらセダンと言われても納得してしまう説得力があります。

しかし、そんなセダンみが逆にウイングを強調している気がしてリアはマッチングが良いと思います。

カッコイイ。

マフラーは4本出し。やる気満点ですね。

ディフューザーも地味にカーボン化されています。

 

私はよくリア~サイドのラインを見る癖があります。

ここのラインが綺麗なクルマは走ってて美しく見えるんです。完全な持論で根拠はほとんどありませんけど。笑

RC-Fは中の中というところです。しっかりライン取りがされていますし、ちゃんと外側に張り出る感じがあって車体が豊かに見えますよね。

このラインが出ないとなかなか恰好良く、美しく見えないと思います。

ポルシェなんかはどの車種もこの角度はドえろいですよ。

RC-FもLCあたりのゆとりのあるデザインが出来れば最高なのですが…まあ、そこはサイズ感の制約もありますから仕方ない。

リアのL字テールライトも立体的で際立ちますね。夜は目立つと思います。

 

サイドからフロントを覗くと、これまた地味にエアフローのためにフロントからの空気が抜ける穴があります。

やっぱり塗装は流石です。デザインは…がんばれ!

 

 

と、ここまで書いてきて1つ思いました。

このクルマ、クーペとして見たら微妙だけどセダンとして見たら恰好良くないか? と。笑

2ドアセダン…いや、絶対売れないですね…。

インテリア:垢抜けぬ内装。

インテリアはお世辞にも良いとは言えないです。

この赤色は特に趣味が悪い色合いだなと。

内装にもチグハグ感が否めなくて、所々カーボンが使用されていますがこのキツイ赤色に合っている気がしません。

ですが、カーボン自体はこの価格帯ですから流石に本物でしょう。

もしかするとこのバブリーでキッツイ赤色がすべての元凶で、無ければそれなりのインテリアに見えるかもしれません。

 

う~ん。

プジョーのおしとやかでありながらも豪華さを感じる絶妙なインテリアを見た後だとどうしても見劣りしそうです。

おそらくプジョー3008より内装にも予算かけてるだろうに…。

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どこもかしこも絶妙に古さを感じます。

このセンターコンソールのスリットはCDデッキですか?

スタイリッシュと呼べるまでには遠いですね。

RXとか完成度が高く落ち着いたインテリアなんですけど、何が違うんでしょう。

こちらの場合は、嫌らしさがまず前面に出てきてしまう。

このフレアレッド内装はちょっとオススメできないかなと思います。

 

手触りも良いし座り心地も良いのですが、どうしても色が先行してしまって…。

ワンポイントで赤ステッチとかが入る分には小粋なインテリアだと思います。

 

何故か赤っぽく塗られてしまうカーボン…。

むむむ…、もちろんレクサス(トヨタ)も商売を営んでいるわけですから顧客のニーズは把握してるはず。

こういうのもウケるということでしょうね。ですが、私にこれは合いません。

 

レクサスのインテリア、結構好きな部類なんですけどこのクルマの赤色はちょっとNG。

もちろん色合いも何種類かから選択できますから、自分が選ぶ時はこの色以外ですね。

ドライブフィール:変幻自在。

ドライブフィールはなかなか良いと思いました。

しっかりとセンターが決まる重厚なステアリング。アクセルワークに合わせてきちんと反応するレスポンス。

イメージとの乖離の少ないカーブライン。ドライブモードに合わせたカッチリとしたエンジン制御。

ちゃんとFun to Driveが出来るクルマです。

運転していてなかなか面白い。

スポーツSモードに切り替えるとしっかりとV8エンジンサウンドを車内に響かせます。

同時に乗り心地もソリッドに。この状態でマカンのスポーツモードよりもちょい硬めだなと感じました。

突き上げを感じるようになりますが、タイヤからのロードインフォメーションもより明確に。

 

スポーツS+はガチガチに固まってる感じです。このダンパー動いてないんじゃないかってくらい。笑

その分、フラットな路面であるサーキットでは間違いない粘りを見せてくれるでしょう。

このモードで公道は走るべきじゃないですね。乗り心地的に。笑

逆にコンフォートは素晴らしくゆったりとした乗り心地を与えてくれます。

この緩急のつけ方がうまい。

マカンはコンフォートでもここまでゆるりと乗れないので…。

 

状況に合わせてきちんとドライブセレクトをすれば、どの場所でも過不足ない走りが堪能できます。

 

ただ…古臭いなぁと思ったのがこのフット(パーキング)ブレーキ。

内装豪華に見せてる割にそこのコストかけないんですか。

ロータスみたいに軽さを最優先してるわけじゃないだろうに、シャシーの古さが出てきてしまってるのは残念ポイント。

エンジン:ありがとうトヨタとレクサス…。

まずはこれを聴いてください。

もちろんフェラーリなどと比較して官能的と評するには今一歩足りませんが、なかなかの迫力がありませんか?

イグニッションの始動音もそれはそれはご近所さんへの配慮をすべき音量ですし、迂闊に住宅街で踏み込もうものなら眉間に皺を寄せながらナンバーを控えられてしまうのは間違いないでしょう。

燃費も良い訳はなく、ハイオク喰らいの美食家ですので懐は徐々に寂しくなってしまう(はず)。

NAなので街乗りではトルクの発生も遅く(4800rpm)、扱いやすいとは言い難い部分も多い。

このクルマと思い出を作ろうとすると相応の覚悟が必要です。

 

でも、それがいい。

クルマというのはワクワクして面白くないといけないと思うんです。

このクルマで日常がどう変わっていくんだろうとか、このクルマで何が出来るんだろうか、とか。

そういった楽しい未来をイメージさせてくれるクルマは本当に大事です。

 

実際にこのV8NAエンジンを聴いて良くも悪くも表情を変えない人は少ないでしょう。

ある人にとっては毎日聴きたい至高の音楽に、またある人にとっては二度と聞きたくない雑音に…。

語弊を恐れず書かせていただくと、このRC-Fというクルマの全ては2UR-GSEという自然吸気V型8気筒5リッターエンジンに内包されています。

エンジンが気に入れば買いましょう。

えっ、外観が好きじゃない?ではLCを…。

 

こんなダウンサインジング一辺倒な世の中に嗜好で至高なエンジンを送り出してくれてありがとうレクサス…トヨタ…。

ライフスタイル:2シーターじゃないから良し。

RC-Fの荷室容量は286L。マカンは500Lです。

RC-Fのリアシートは前倒しできません。RCは出来るそうですけども。

これだと家電量販店で石油ファンヒーター禁止のマンションのために中型のオイルヒーターを買っても収まるかどうか微妙なところですね。

リア手前側が抉れているので、ここにうまくゴルフバッグ達は載せれるそうです。

 

まあまあ、このクルマのトランクにはあまり期待はしていません。

やっぱりここでしょう。+2シート。

これがあることによって手荷物を車内に置くことができます。

私はカメラを持ち歩くので、トランクにいちいち閉まって取り出して…は少し億劫です。

後ろの座席にポイッと置いておけるのは他の2シータークーペと大きい違いですよ。

子供もちょっとキツそうなくらいのシートですが、無いよりはマシ!

まとめ(買いか?):エンジンをそのままに外観内装を刷新してほしい。

まとめです。
(★5つで評価)

運転していて楽しいか - ★★★☆☆

エンジンだけじゃなくドライブフィールもしっかりしていました。

広い道でしっかりと試乗できたわけではないので、マカンのように地面に吸い付くコーナリングだったりとか、ブレないシャシーだったりは体感できませんでした。

しかし、予想通りであれば謙遜ない走りをしてくれるはずです。

ひとまずは★3つ。

魅力的なエンジン音か – ★★★★☆

これを魅力的と言わず、何をチャーミングと言うのでしょうか?

★4つです。☆1つ分はF6NA(GT3)、V10、W12がこの先待っている(はず)なので、そちら用。

生活スタイルに合っているか – ★★☆☆☆

このクルマ1台では運用できないので、必然的にセカンドカーが必要になってきます。

そういう意味では一台で全てをこなせるのが生活スタイル的にはベストなので、この点数に。

それでも、日常の買い物程度であれば十分でしょう。冷凍食品を買って帰りを急いでいる時も速い。

乗り込む時にワクワクするか– ★★★☆☆

見た目はそこまで私の好みドンピシャではありませんが、このエンジンが持ちうる魅力は大きいと思います。

始動音はなかなかにテンションを上げてくれますし、これからドライブに行くぞ!という気持ちにさせてくれます。

 


以上となります。

 

レクサスRC-Fはかなりしっかりとした仕上がりでした。

SUV系統は微妙具合が強かっただけに、ちょっと意外です。

ドライブフィールはきちんとしていましたし、トランスミッションとのマッチングも良い。

これがATじゃなくDCTだったらもっと良いと思いますね。

 

しかし、特筆すべきはエンジンです。

おそらくマフラーを社外品、アフターマーケット品に替えれば相当良い音を響かせるんじゃないでしょうか。

このエンジンは若干アメ車っぽさがあるワイルドな風味ですけども、うまく引き立たせてくれるんじゃないかと思っています。

 

ただ…LCは高いし、RC-Fは外装内装が好みじゃない。他セダンはアウトオブ眼中。

う~~~ん、悪くないクルマだし感性に訴えかけるモノを持っているのは間違いないのですが。

もう一歩洗練されたエクステリアとインテリアが欲しいですね。

 

なかなか、惜しいクルマです。

一応ですが、今後の候補にはもちろん残っていますよ。笑

 

以上、また次回よろしくお願いします!