(最終更新日:2021.10.10)
こんにちは、アキタローです。
もう1年以上前の試乗なのでお蔵入りしようかと考えていましたが…せっかく書いたし公開しようと思います。
ここ最近のトヨタ車(GRヤリスやスープラ、ミライなど)はエクステリアも走りもしっかり仕上げてきているので私は好感触です。
ただ、一世代前の形だけ見繕ったトヨタ車は私は好きじゃありません。
それを前提に、捻くれた奴の独り言を見てみたい方はお付き合いください!
(ほんとうに好き放題書いてしまってます、ご注意を)
トヨタ ハリアー(新型) ハイブリッド Gグレードに試乗してきました!
このハリアーは2020年8月頃に試乗しました。
試乗してから記事アップまで、期間空いてすみません。
繰り返しになりますが、この記事を掲載するかどうか悩んでおりました。
さて、印象としては…
”手放しで良いと言えないが、お得意のハリボテではない”
といった具合でした。
乗る前の本音を書くともうボロクソに、超超超辛口に記事を書こうと思っていたんですよ。
スポーツモデル除くトヨタ車って形だけイイカンジに整えて、肝心のドライブフィールについてメタメタな車が多いですから。
トヨタは壊れないことと外面の良さだけが取り柄と私は思っています。
(そこが大事だったりする部分も多いですが…)
だけど…悔しいかな、この新型ハリアーはそれなりにしっかりしていました。
もちろん、スポーツドライビングでマカンの足元にも及びません。勝負にならないでしょうね。
ただ、マカンとハリアーはジャンルが明確に違いますから同じで土俵で比べるべきクルマではないでしょう。
ラグジュアリー路線、しいて比較するのであればGLAとかそのあたりでしょうか。
一部のインテリアの雰囲気だけで言えば価格差込みで競り合えるかな…いや、流石にないか。
私が重視するのは、ドライブフィール・エンジンサウンド・ライフスタイルとの合致、この3点です。
詳しくは以下をどうぞ。
(最終更新日:2021.10.13)かなり考えが偏っていますが、自分なりの3カ条です。※2020年12月追記評価項目に・乗り込む時にワクワクするか を追加しました。試乗記の際、順次追加していきます。運転してい[…]
トヨタ 新型ハリアーのスペック
スペックは下記のとおり。
新車価格:358万円~504万円(ガソリンモデルは299万円~443万円)
試乗車:ハイブリッド Gグレード 2WD(400万円)
全長 | 4,740 mm |
全幅 | 1,855 mm |
全高 | 1,660 mm |
車両重量 | 1,650 kg |
エンジン | 直列4気筒エンジン+モーター 排気量 2,487cc + フロント・リアモーター システム最高出力:222馬力 トルク22.5kgf m(エンジン) |
全長がそれなりに長く、全幅が昨今のクルマ準拠でそこまで大きくないのはレクサスRXから引き継がれるアイデンティティです。
ですが、1855mmもあれば大人4人は十分快適。
室内空間は乗り方にもよりますが、基本的にパーソナルスペースが脅かされることはまったくないでしょう。
そこそこの静粛性を保っており、インテリアもそこそこ仕上げてきているのでなんとなく高級感を得たい人にはうってつけです。
(既に言葉がトゲトゲしい・・・)
それでは、
・エクステリア
・インテリア
・ドライブフィール
・エンジン
・ライフスタイルとの合致
・まとめ(買いか?)
この順番でレビューしていきます。
エクステリア:先代より正常進化、つまり…
新型ハリアーは先代より要所要所をキープデザインしながら新しくなりました。
つまり…個人的には格好良く見えないままということになります。
もうこれは個人の趣味嗜好の話なんで、私以外の多くの人にはウケるんだろうと思いますが…
(先代との比較画像、引用:トヨタ ハリアー新旧比較)
上記の画像の通り、スタイリングは先代踏襲。
フロントで大きな違いと言えば先代は専用のエンブレム(鷹っぽい何か)が施されていましたが、それが共通のトヨタCIマークに変わったことでしょうか。
これは先代までのオーナーにとっては賛否両論だったと思います。
おそらくハリアーを購入される層は限りある予算の中でより高級感があり、かつ所有欲の出る特別なモデルを選ぼうとした末に様々な安心要素(リセール価格や信頼性)からこの車を選んだのではないかと思います。
だからこそ、フロントにどこのメーカーかよくわからないエンブレムを配置することで、
“見たことないエンブレム!なんだかすごいクルマなのかも!?”
と知識0の一般層に“なんかよくわからんすごさ”を訴えかける事が出来たのが重要だったのだと思っています。
もちろん勝手な想像ですが…笑
ここからはチクチク書かせていただきますが、先代・現行ハリアーの何が嫌かって結局見た目の凄みだけが先行してて肝心の中身であるドライブフィールがエクステリアに追いついてないんですよ。
もちろん、現行はそこそこの走りができるようになっていますが、それでも本当に最低限のラインを確保しているレベル。
断言しますが、走りの質感だけで言ったら未だにマツダのCX-5に追いつけていません。
(マツダはマツダでブレーキストロークに少し難点ありますが)
動力性能もRAV4 PHV(システム最高306馬力)くらいの性能を持っていればそこまで文句は無いんですが、ハイブリッドでもシステム最高220馬力が精いっぱい。
加減速のだるさ、コーナリングでのふわっと感は車の方向性をコンフォートに振っている以上致し方ない部分だとは思いますが。
とにかく見た目のドヤ感が強化されて運動性能が伴ってないのが個人的に受け付けられません。
このクルマに400万出すのであれば中古のCX-30を2台購入しますね!
さて、現行ハリアーは「都市型SUVに相応しい流麗なクーペフォルム」とのうたい文句です。
サイドから撮影した写真はありませんでしたが、私が本気めなSUVクーペと思うMX-30と手頃な写真で比較してみましょう。
(現行ハリアーは5人乗車での快適性を保つため、ルーフの絞り込みは緩め)
(世間の評判は抜きにして国産SUVで一番クーペライクなMX-30。ルーフはなかなかえぐい絞り込み)
完全に同じアングルではありませんが、比較すればハリアーはあくまでクーペルック。
MX-30がマジもんのSUVクーペフォルムでしょう。
絞り込みの緩さは後席の快適性重視の結果だとは思いますが、ハリアーは結局”~風”で終わってしまってるのも残念ポイント。
それこそレクサスRXくらいのリアオーバーハング分をクーペのように傾斜させれば間違いないクーペフォルムになるでしょうね。
う~~ん(=_=)
(お決まりの威圧系デイライト、個人的には微妙な…)
(デイライトと同じLED部分がハザードランプでもピカピカ点滅します、なにやら怒ってそうな見た目)
毎度思うんですけど、もう少しカッコカワイイ見た目になってくれれば受け入れられるんですが…
おそらく意識しているであろうドイツSUV軍のGLAとかQ2とかね。
(現行メルセデスGLA、引用:メルセデスベンツ The GLA)
(現行アウディQ2、引用:アウディQ2)
駄目だ…こうして並べてしまうとどうしてもハリアーは見劣りしてしまう…
まあ欧州SUVは価格帯がワンランク上だからと流しましょう。
フロントフェンダーからミラーにかけてのプレーンなデザインはちょっと好きです。
インテリア:力の入れようは感じる、高級感とは??
さて、ハリアーがハリアーたる最大のアピールポイントはインテリアの高級感です。
ここでもただ…という言葉を使うんですが、やはり背伸びしている感が感じられます。
少し悪い言い方をすれば、価格を無理やり上げるためにそれっぽく見せているような印象ですね。
(Zグレードであれば多少変わるのかな?)
ではまたまた比較してみましょう。
今回は同じ価格帯(300万~400万)であるプジョー SUV2008です。
(最終更新日:2021.11.1)こんにちは、アキタローです。今回はプジョー SUV 2008に試乗してきました!印象としては…”単なる208のSUVではない”といったところでした。&[…]
(ハリアーのドライバーシート。本革か合皮かは忘れてしまいましたが、どことなく合皮っぽい)
(プジョーSUV2008GTのシート。合皮とアルカンターラ+ステッチの組み合わせがお洒落。)
さて、どちらに高級感を感じるかは人それぞれかもしれませんね。
私はプジョーの方に高級感を感じます。
ハリアーは先ほども書いたように無理やり高級感を仕立てあげてる感がとても強い気がします。
座席部分は半分アルカンターラ(?)+ステッチが入ります。
このレザー部分の張り艶が物足りない感じするから高級感が感じられないんですかね…
(またまた比較、ハリアーのロゴがこんなところに!落ち着いた造形でそこそこ雰囲気有)
(プジョーSUV2008のドアトリム。ドアハンドルの造形がアクセント、やはりお洒落)
ドアトリムの比較であればハリアーでもプジョーに拮抗しそうな雰囲気があります。
ハリアーはドアトリム全域がソフトウレタンで触り心地柔らかで〇。
SUV 2008は手がよく触れる部分はソフトで他はハード。
ですが、プジョーのデザインセンスは流石の一言。
この部分に関してはハリアーも頑張っている方だと思います。
運転席から見た助手席周りのプレーンな印象は私も好印象な点の1つ。
(スッキリ見えるのはドアトリムから伸びているラインがきちんとダッシュボードのインテリアに繋がっているから)
このあたりは何を参考にしたかはわかりませんが、うまくまとめていますね。
手放しでは褒めないですけど、きちんと良いと感じたところは良いと記載しますからね!?
(後席ドアトリムの日本的意匠、黒檀風?)
後席のドアトリムも手を抜かず手掛けているのはなかなかです。
この黒檀風な装飾はセンス良いなと思いました。内装にしっかり馴染んでますね。
ただやっぱりシートの高級感が欠片も無いんだよなぁ…
RAV4の内装ですって言われても信じちゃいそうです。
(シフトレバーの握り心地は良いです、意匠にも拘りを感じられる)
センタコンソール周りは可もなく不可もなく。
スッキリしていて印象は〇ですが、ここでも高級感を感じるかというとハテナマーク。
(ノット高級感ワーストポジションの運転席、どうにかならなかったのか)
私が一番高級感を感じれないところがこの運転席。
まず、ステアリングがRAV4とほぼ一緒。
(RAV4のステアリング、間違い探しが出来るレベルでほぼ同一)
RAV4のGグレードはステアリングそのものがウレタンで、ハリアーは合皮か本革巻きとなります。
しかしながら、その他のボタン配置はまったく一緒。質感もプラスチックのマット処理がされている以外はほぼ同一です。
更にドライブインジケーター類もRAV4からほとんど変更なし。
(ハリアーの画面。RAV4(Gグレード)よりは液晶部分が拡大、アナログ計器類はRAV4同一と思われる)
これはトヨタお得意の部品共通化によるコスト削減であり、企業としては効率的な経営に繋がるので素晴らしい戦略だと思います。
しかしながら、高級感を売りにするハリアーはこういった部分こそ差別化するべきではないでしょうか。
少しジャンルは違いますが、ポルシェの911は5連のインジケーターを備えますが、より廉価な718は3連インジケーターです。
こういったところで上位グレードとの差を作っています。
そして、これはそこまで嫌らしくない。(気になる人は気になるんでしょうけど…笑
細かなところでの粗が素人の私にも見えてしまうのが”なんだか高級感を感じられない”要素に繋がっているのだと思います。
(またしても見せかけだけのオルガンっぽい吊り下げ式ペダル)
アクセルペダルはもちろんと言ってもいいかもしれませんが、オルガン式に見せる吊り下げ式ペダルです。
こういう姑息な子どもだましをしてくるのがトヨタという企業を好きになれない要因の1つですね。
最初から吊り下げ式でいいやん……
(すぐわかるんだからやめておけばいいのに)
こういう点でも高級感という演出はマツダの方が今一歩先を行っているように思えます。
高級感をアピールするのであれば、もっとしっかり仕上げてきて欲しかったなぁ。
Zグレードのレザーパッケージを導入すればシートに関するネガはおそらく消えてくれるのでしょうけど…
インテリアでも結局辛口評価になってしまいましたね(=_=)
(マツダ3の内装、価格以上にがんばってる印象がある)
ドライブフィール:実は一番好感触
(新型ハリアーのタイヤサイズは225/60R18(Gグレード))
ドライブフィールは最初まったく期待していなかったんですが、ふたを開けてみてビックリ。
結構しっかりしています。
スポーティ傾向のSUV(X1とか)と比べたら惨敗してしまうフワフワ感ですが、想像以上にシャシーがヨレない印象です。
コーナリングもタイヤが路面に接地して、車体で曲がっている感がありますね。
ステアリングの反応は緩みがあって若干のストレスを感じますが。
ハリアーは全体的にコンフォートに寄せているセッティングで、サスペンションはフワフワしていますがよく動いて快適性を高めています。
それでいながらシャシーもカッチリ抑えるところは抑えているので、不快感が思ったよりも少ない。
むむ、やるじゃん…笑
流石にスポーツモデルではないので、走行性能の限界値はそこまで高くないですが、これは私の中で及第点。
この走行性能を仕上げてきたのはお見事です。少なくともハリボテではない。
ただ、もっと感動するような乗り心地・走行性能を持ったクルマは欧州車を筆頭として山ほどあります。
正直ハリアーは最低限のハードルを越えたところくらいですが、エンジニアの方々の努力が感じられるので◎です。
(リアミラーはデジタルインナーミラーとしても使用可能)
SUVというのはドライバーの視点も高くなる車なので、見切りは非常に良いです。
乗車している際のサイズ感も把握しやすく、運転のしやすさに繋がっていると思います。
リアミラーのデジタルミラーは距離感が掴みづらく、少し使いづらかったです。
さて、驚きですが、新型ハリアーはそこそこ走れます。
試乗のハードルはかなり低めに設定しており、さらに下回りそうだなと内装を見ていて不安に思ったのですが全くそんなことはありませんでした。
ふと、同じTNGAのGA-Kプラットフォームを使うRAV4のレビューはどうだったかなと気になって過去記事を遡り。
ドライブフィール:RAV4はクルーザー。スポーツ要素は諦めるべき。
運転していて楽しいかというと…まったく楽しくない車です。スポーツモードもありますが、ただただエンジン音が煩く唸るだけ…。
CVTというトランスミッションが全ての元凶だと思います。
RAV4は長編大作を気取る映画のスタッフロールくらい、退屈です。
マツダCX-30の方が数倍Fun to Drive出来るのは間違いないでしょう。関連記事(最終更新日:2021.11.1)こんにちわ、アキタローです。今回はトヨタ RAV4に試乗してきました。印象としては…”2019日本カーオブザイヤー車だけど…特徴が掴みづらい、普通のSUV”と[…]
( ;∀;)
まあ確かにハリアーの運転楽しいかって言われると楽しくない部類だけどさ…笑
ここまで書く必要はないやろ!
昔は尖っていたんやな…
繰り返しですが、新型ハリアーの走行性能はしっかりしてるので安心しましょう。(楽しいかは別
エンジン:モーターとエンジン間のバトンタッチが下手
表題の通りに尽きます。
百万歩譲ってCVT特有の工事現場のような環境騒音を許すとして、少し踏み込んだ時にモーターからエンジンに引き渡すバトンタッチの仕方が下手です。
モーターからのトルクが出涸らしレベルまで細くなってからエンジンが回転し始める動きなので、その切替タイミングで加速感が1回消失する感じ。
シフトショックまではいきませんが、マニュアル初心者が運転する軽トラで1速から2速に切り替える、一旦加速が無くなってからまた加速し始めるネットリとした感覚。
わかりますかねコレ…笑
つまるところスポーティなんてところからは程遠いのがハリアーのハイブリッドモデル。
粛々とエコ運転してなさいって事ですね。
街乗りならちょうど良い具合の燃費を出してくれると思います。
相変わらずCVTと私の相性はすこぶる悪いため、このトランスミッションが変わらない限りこういったモデルでの評価は変わらないでしょうね。
ライフスタイル:十分でしょう
新型ハリアーの荷室容量は409L、マカンは500Lです。
大人5人が満足に乗れて荷物がそこそこ積める。
十分だと思います。
(リアシートは4:6分割可倒式、格納すれば1045Lの容量)
SUVなので後席シートを倒して荷室を拡張することも当然ですが可能。
ちなみにRAV4よりかは少しだけ容量が少ないそうです。
まあまあ、SUVとしては及第点。
使用上全く問題ないでしょう。
まとめ(買いか?):オススメはできません。
まとめです。
(★5つで評価)
運転していて楽しいか - ☆☆☆☆☆
ドライブフィールの項目でも記載しましたが、思いのほか走りは良好です。
ただし、私の中でそれは最低限のスタートラインであり、そこからどこまでFun to Driveできるのかがこの指標。
そういう意味では…
RAV4と同じ点数なので、自分の中でも納得の評点です。
魅力的なエンジン音か – ☆☆☆☆☆
エンジンサウンドを期待するべきモデルではありませんからね。
D-CVTではありますが、ただ煩いだけ。仕方ない評価です。
生活スタイルに合っているか – ★★☆☆☆
RAV4よりかは荷室容量や収納スペースを削減しての都会派SUVがこのハリアー。
なので、荷物をいっぱい積むとかあぜ道を進むとかは苦手な車です。
ただ、大人4人以上乗れてゆったり快適に移動するという上ではGR86などに比べるとなかなか使える部類だと思います。
乗り込む時にワクワクするか– ★☆☆☆☆
ルックスは好きではありませんが、落ち着いた内装使いは良いと思っています。
乗り込む際に極端に気持ちが昂るわけではありませんが、それっぽいイイモノ感は味わえるのでこれくらいで。
以上となります。
結局好き放題書いてしまいました。
でも、想像以上に走行性能がしっかりしていたのは感じることが出来ました!
それでも気になるところが色々出てきてしまってて…特に吊り下げ式をオルガン式に見立てるのはほんとやめておいてほしいっすね…
久しぶりにトヨタ車を書きましたが、どうしても厳しめな見方になってしまうのは仕方ないのかな…笑
冒頭に記載しましたがヤリスやアクア、ランクルなど目的がしっかりして変に気取っていないトヨタ車は好きですよ!
では、今回は以上です。
また次回に。